看護科学研究
Online ISSN : 2424-0052
ISSN-L : 2424-0052
研究報告
笑いヨガによる高齢アルツハイマー病患者のストレス状態と認知機能の変化 ―唾液アミラーゼ活性値を指標として―
中道 淳子磯 光江北山 礼子今井 秀樹
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2025 年 24 巻 p. 23-31

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抄録
アルツハイマー病(AD)は、認知症の主な原因疾患となっている。笑いヨガは、疑似的笑いとヨガの呼吸法を組み合わせたものであり、実施した場合のストレス軽減効果などが報告されている。本研究では、AD患者に笑いヨガプログラムを実施し、唾液アミラーゼ活性(sAA)を指標としたストレス軽減効果および認知機能テストの得点を指標とした認知機能改善の効果について検討した。対象者はADと診断された患者9名(女性9名)とした。笑いヨガ7日間実施の介入をし、各日の実施前後に対象者から唾液を採取しsAA を測定した。また介入前後に改訂長谷川式簡易知能評価スケールおよび1分間語想起スクリーニングテストを行った。その結果、AD患者に笑いヨガを実施することにより、sAAは低下したが、その効果が有意であるのは笑いヨガを実施したその日限りであった。一方笑いヨガを日をまたいで7回繰り返すことは、sAA活性の低下および認知機能テストの得点に効果をもたらさなかった。
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© 2025 看護科学研究編集委員会
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