抄録
本レビューは、感染症パンデミックが妊婦の食生活や身体活動に与える影響を明らかにすることを目的とした。2024年4月までに発表された論文を対象とし、「感染症」「妊婦」「生活習慣」等の検索語を用いた電子データベース検索およびハンドサーチを行った。論文選択基準・除外基準に基づくスクリーニングを行い、包含論文13 編を決定した。10 編が感染症パンデミックと食生活について調査をしており、パンデミック中には自炊の増加等の食事形態の変化や、食事内容の改善・悪化の双方の影響が示されていた。身体活動との関連を調査した10 編のうち7編では、パンデミック中に妊婦の身体活動量が減少したことが示されていた。食生活や身体活動の変化には、出産歴や経済状況、居住国等の社会的背景の影響が示唆されたため、医療職者は感染症パンデミック時にはそれらを考慮した上で、妊婦の生活習慣の状況に合わせた保健指導を行う必要がある。