抄録
目的: 文献検討により地域保健と学校保健との連携における阻害・促進要因を抽出し、それらを連携推進モデルの9段階に分類することで、連携推進の具体的方略を明らかにする。方法: 医中誌Webにて「地域保健」「学校保健」「連携」をキーワードに過去20年間の文献17件を対象とした。連携における阻害・促進要因の記述を抜き出し、内容をコード化し各段階に分類した後にカテゴリ化を行った。結果: 阻害・促進要因ともに0段階に分類されるコードが最も多く、特にソフト面(人の認識や意識、理解)に関する阻害要因が多く抽出された。また、1~8段階においてはハード面(組織、しくみ)に関する促進要因が多かった。結論: 連携推進のためには、0段階のソフト面に関する阻害要因を排除することが優先的である。また、1~8段階においてもハード面に関する促進要因を強化することで、個人の裁量や組織風土に左右されない連携推進が可能になることが示唆された。