日本腎臓病薬物療法学会誌
Online ISSN : 2189-8014
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原著
愛媛大学医学部附属病院における外来患者での腎機能測定実態とCKD ステージ3-5 の患者に対する腎排泄型薬剤の処方実態
済川 聡美田中  守井門 敬子田中 亮裕末丸 克矢荒木 博陽
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2013 年 2 巻 3 号 p. 13-17

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抄録

慢性腎臓病(CKD)患者は年々増え続けており、腎排泄型薬剤の投与量調節や腎機能を低下させる可能性のある薬剤の適正使用が益々重要となっている。そこで、愛媛大学医学部附属病院では、入院患者に対し持参薬の確認を薬剤師が実施しており、CKD 患者への腎排泄型薬剤の過量投与を防止する体制を整えている。しかしながら、外来受診患者では当院薬剤師の関わりは十分とは言い難く、外来CKD 患者への腎排泄型薬剤の過量投与の可能性が懸念されている。そこで、本研究では外来患者を対象に腎排泄型薬剤の使用実態を調査したので報告する。 今回の調査はレトロスペクティブに行われた。2012 年7 月に当院外来を受診した患者で、腎排泄型薬剤が処方されたのは2969 名であり、そのうち、腎機能が測定されていた患者は792 名であった。患者の腎機能別にステージを分類すると、CKD ステージ3 - 5 の患者は295 名であり、全体の37.2%であることが分かった。その際、推算糸球体濾過量はeGFR=194 × Cr-1.094 × age-0.287 ×(female:0.739)として算出された。過量投与の割合が高い可能性が示唆される腎排泄型薬剤は、ニザチジン44%(4/9)、シロドシン40%(6/15)、アマンタジン33%(4/12)の順であった。また、処方数が多かった薬剤としてはアロプリノール9%(7/80)、レボフロキサシン8%(5/59)、ファモチジン7%(17/237)があげられた。本研究で、我々は外来患者における腎排泄型薬剤の過量投与の可能性を明らかにした。院外保険薬局との連携を取り合い、外来CKD 患者に対する腎排泄型薬剤の過量投与を防止する体制を整える必要があると考えられる。

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© 2013 一般社団法人 日本腎臓病薬物療法学会
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