日本鳥学会誌
Online ISSN : 1881-9710
Print ISSN : 0913-400X
ISSN-L : 0913-400X
短報
福島市小鳥の森におけるサンコウチョウの繁殖生態と繁殖環境
鈴木 弘之味岡 祐希高橋 清黒沢 高秀
著者情報
ジャーナル フリー

2010 年 59 巻 2 号 p. 168-173

詳細
抄録
ほぼ毎年サンコウチョウの営巣が確認されている福島市小鳥の森において,2006年および2007年に繁殖行動および営巣環境について調査を行った.多くのサンコウチョウは6月初旬に造巣を始め,繁殖成功した3巣ではヒナが7月下旬前に巣立った.なわばり(平均;4.25 ha)は既存の報告(平均;2.1 ha)よりも広く,立地は大部分が一つの谷の中にあった.雄の抱卵時間と雌の抱卵時間はほぼ同じであった.雌の給餌頻度はヒナの成長に伴って増加した.営巣木はホオノキの生木が最も多かった.営巣木周辺の立木密度の平均は0.17 m2と低かったが,樹冠被度は比較的高く,すべて75%以上であった.層別では低木層の被度が低い傾向が見られ,巣の下に広い空間が見られた.繁殖に失敗した6巣中1巣の原因はカラスによる卵の捕食で,3巣でも親鳥が訪巣しなくなった日にカラスが巣や巣の上方で観察された.
著者関連情報
© 2010 日本鳥学会
前の記事 次の記事
feedback
Top