2018 年 55 巻 1 号 p. 19-22
化学療法に伴う免疫抑制時にGordonia属による菌血症を発症した3歳男児例を経験した.B前駆細胞性急性リンパ性白血病の中間維持療法中,7日間持続する発熱のため入院加療とした.中心静脈ダブルルーメンカテーテルより採取した血液培養で両ルートに同一菌の発育を認めた.臨床症状と合わせると真の菌血症と考えられ,カテーテル感染に起因した菌血症の可能性が高いと考えた.起炎菌は当初Corynebacterium様と報告されたが,感受性結果がCorynebacteriumと一致せず,後に16S rRNA解析の結果からGordonia属と同定された.カテーテル抜去と5週間の抗菌薬投与により治癒し得た.Gordonia属感染症は免疫不全者では重篤となる場合もあるが,細菌培養のみでは診断困難である.Corynebacterium様菌が検出された際には,必要に応じて16S rRNA解析を行うことが診断に重要であると考えられた.