日本鳥学会誌
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短報
河川における冬期の水鳥分布に影響を及ぼす自然要素と人為攪乱
鈴木 弘之
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2010 年 59 巻 2 号 p. 174-180

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抄録
河川における冬期の水鳥種の分布と自然要素および人為攪乱がどのような関連があるかについて分析した.重回帰分析により,調査対象とした17種のうち14種と,4つに分類したいくつかの説明変数との間で有意な正の相関が見られた.それぞれの種の分布のうち,イカルチドリCharadrius placidusとコサギEgretta garzettaは瀬に正の,カルガモAnas poecilorhynchaは淵に正の相関がみられた.カワアイサMergus merganserやカワウPhalacrocorax carbo,マガモAn. platyrhynchosは各支流との合流区域に多く,オオハクチョウCygnus cygnus,コハクチョウCy. columbianus,オナガガモAn. acuta,ヒドリガモAn. penelope,ホシハジロAythya ferina,キンクロハジロAy. fuligulaの分布は給餌区域に有意に偏っていた.アオサギArdea cinerea,ダイサギE. alba は人・車の侵入がない場所に多く,種毎に有意な傾向がみられた.また,コガモAn. creccaは全域に分布していた.種によって人間による攪乱がないことや少ないことが分布の重要な要素になっている種と,人間による「給餌」という人為攪乱に有意な集中が見られる種もあり,人間活動が分布の大きな要因となっている.冬期の河川において多様な水鳥類の生息のために,土地被覆として植生の推移帯などの景観要素を残すこと,人や車による攪乱が生じないようにすることが重要であると考えられる.
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© 2010 日本鳥学会
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