日本鳥学会誌
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原著論文
琵琶湖磯漁港のアイガモ斃死試料中の藍藻毒素microcystin-LRの蓄積
中村 剛也渡邊 琴文石川 可奈子熊谷 道夫宮原 裕一犬塚 良平横田 憲治小熊 惠二朴 虎東
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2013 年 62 巻 2 号 p. 153-165

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抄録

 2007年の8月から9月に琵琶湖北湖に位置する磯漁港で飼育していたアイガモ30羽のうち22羽が斃死亡した.鳥類斃死の要因として鳥ボツリヌス症も検討したが,ボツリヌス毒素の急性毒性は確認できなかった.磯漁港の水試料からMC-RR,LRが確認され,アイガモ肝臓組織から560 ng g-1 DW(178 ng g-1 FW)という高濃度のMC-LRが検出された.MC-LRは藍藻毒素の中でも特に毒性が高く,肝臓組織含有量は先行研究と比較して高いことから,アイガモの斃死に藍藻毒素MC-LRの高濃度の蓄積が関わっていたことが推察された.本研究は日本において斃死した水鳥遺骸から藍藻毒素MCの蓄積量を示した最初の研究である.

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© 2013 日本鳥学会
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