日本鳥学会誌
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短報
北海道のスズメにおける嘴基部の色の季節変化と外部計測値による性判定の可能性
玉田 克巳池田 徹也
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2019 年 68 巻 2 号 p. 349-355

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抄録

北海道においてスズメPasser montanusを対象とした鳥類標識調査を実施して,8か月以上経ってから成鳥3羽を再捕獲した.嘴基部の色は,1羽が黒色で,2羽が黄色であった.野外観察の結果から,6月から7月までの間,幼鳥の嘴基部の色は黄色であったが,成鳥は黒色であった.9月から12月は,ほとんどすべて個体が黄色になり,1–2月には黒色の個体の割合が増加し,3–5月にはすべて黒色であった.このことから嘴基部の色は,季節変化することが考えられた.オスの計測値は,体重,自然翼長,尾長で有意に大きかった.自然翼長は67.7 mmを境界値として性判定ができ,誤判別率は90%であった.

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© 2019 日本鳥学会
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