浅い餌場で採餌活動を行う飼育キンクロハジロAythya fuligulaはカイツブリTachybaptus ruficollisと同様に,水面滞在中に取り込んだ酸素の一部を自身の水面での代謝に消費し,残りを後方気嚢に蓄積して潜水活動に用いると仮定する.潜水に用いられる酸素の割合すなわち酸素利用効率ηは水面滞在中の代謝速度EMR,一回換気量VT1,換気速度Vesに対する修正アロメトリー式を用いて定式化し,水面滞在時間Tp,潜水時間Td,最大潜水時間Tdmaxおよび潜水活動中の平均代謝速度MRdに対する予測式を提案した.ただし,潜水時間Tdの予測式の導出に必要となる潜水中の単位時間当たりの総エネルギ損失量は水面滞在中の代謝速度EMRに浮力,流動抵抗,強制対流熱伝達に起因するエネルギ損失量を加えたものであると仮定している.水面滞在時間Tp,潜水時間Td,最大潜水時間Tdmaxおよび潜水活動中の平均代謝速度MRdの予測値を既存の測定値と比較し,修正アロメトリー式,酸素利用効率ηの定式化および潜水中の単位時間当たりの総エネルギ損失に関する仮定の精度を調べた.