日本鳥学会誌
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道路沿いにおけるカンムリワシの出現個体数に時間や気象条件が与える影響
水谷 晃山本 誉士伊澤 雅子河野 裕美
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2023 年 72 巻 1 号 p. 77-83

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抄録

八重山諸島西表島において,カンムリワシSpilornis cheela perplexusのロードセンサスを行い,出現個体数に対する時間帯や気象条件の影響を調べた.出現個体数は朝に最も多く,次いで夕に多かった.どちらの時間帯も,出現個体数は,風速に対して負の相関がみられたが,湿度および気温に関連は認められなかった.カンムリワシが止まり木で索餌する際の体の角度は,風速の増加に伴って有意に前傾姿勢になった.夜行性の両生類や爬虫類を主要な餌とするカンムリワシにとって,朝や夕はそれらの捕獲の可能性が高まるものと考えられる.一方,待ち伏せ採餌者である本種にとって,風はエネルギーの支出を生じさせるため,出現個体数に負の影響を与えるものと推察された.本種の個体数動態を把握するためのロードセンサスの結果を解析するうえで,時間や風速は考慮すべきであるといえる.

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