日本鳥学会誌
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原著論文
オオミズナギドリにおける血球と羽根の水銀濃度
岩崎 真由安積 紗羅々石塚 真由美池中 良徳綿貫 豊
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電子付録

2024 年 73 巻 1 号 p. 33-43

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抄録

鳥類の羽根は水銀汚染のモニタリングによく使われる.育雛期の営巣場所に着地していたオオミズナギドリCalonectris leucomelas成鳥の血球と羽根の水銀濃度を測定した.育雛期の血球と採血の時に伸長中だった体幹部の羽根の水銀濃度はオスの方がメスより高かったが,おそらく,それぞれ繁殖期前半と繁殖後の渡りから越冬初期に換わったと考えられる胸の羽根と初列風切羽根P1では性差は見られなかった.採血の時に伸長中だった体幹部の羽根の水銀濃度は血球の水銀濃度でよく説明できたが,採血とは別の時期に伸長したP1と尾羽根R6の水銀濃度は血球水銀濃度とは関係はなかった.水銀濃度は,胸の羽根および体幹部の伸長中の羽根で高く,次がP1であり,R6で最も低かった.本研究は,換羽中の羽根の水銀濃度は血中水銀濃度と平衡することを明らかにし,さらに産卵や換羽による水銀排出の季節変化を反映しているかもしれないことを示唆する.また,繁殖期間内に換羽した羽根の水銀濃度と越冬期間内に換羽した羽根の水銀濃度の間には相関はなく,各個体の羽根の水銀濃度には年を通じた一貫性はないらしいことが示された.

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