日本鳥学会誌
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総説(黒田賞)
植物の種子散布者としての鳥類:鳥類-植物間の相互作用が駆動する植物の生態,進化動態
吉川 徹朗
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2025 年 74 巻 1 号 p. 1-25

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抄録

全世界に分布する鳥類は,植物種子の散布者として働くことで,陸上生態系の基盤となる植物個体群,群集の形成,維持プロセスに大きな役割を果たしている.この総説では,種子散布をめぐる鳥類と植物との相利関係のあり方,特に鳥類による被食散布と貯食散布のあり方に注目し,これらが植物の生態,進化プロセスに与えるインパクトを概観する.はじめに,これらの種子散布様式と鳥類の採食行動の関わりについて概説する.次に地域群集における鳥類と植物の種間相互作用パターンの特徴について現在までに得られた知見を紹介する.そして,両者の相互作用を決めている植物の内的要因,外的要因について要約する.また果実食鳥が植物の果実形質の進化において果たしている役割に関する知見を整理する.次に種子散布距離と散布環境についてまとめた上で,鳥類の種子散布が,局所スケール,景観スケール,地域スケールなどの複数の空間スケールにおいて,植物個体群,群集に及ぼしている影響について解説する.最後に種子散布研究についての将来の展望について考察し,自然史研究とフィールド調査,大規模データに基づくモデリングなどの幅広いアプローチを統合したアプローチの重要性について指摘する.

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