2025 年 74 巻 1 号 p. 71-78
ミゾゴイGorsachius goisagiは,2015年に国内初となる飼育下繁殖が確認されたが,野外での観察が困難なため,繁殖生態に関する詳細な情報が不足している.本研究では,本種の繁殖行動に関する知見の蓄積を目的として,足環で個体識別が可能である2つがいの飼育下繁殖7例から,雌雄別の繁殖行動の詳細な記録を行った.繁殖開始時期や繁殖ステージごとの日数は野外報告と同等で,繁殖行動の雌雄別の時間量に一定の傾向は示されなかった.本観察において,これまで本種で報告がなかった同年2回目の繁殖が2例確認され,同一つがいで年2回の繁殖が可能な生理的機構を有していることが示された.同年2回目の繁殖は幼鳥の巣立ち後に開始され,1回目の繁殖で巣立った幼鳥による両親の繁殖行動の妨害が確認された.