日本鳥学会誌
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原著論文
富士山亜高山帯におけるホシガラスの貯食環境の選好性:貯食種子をめぐる種間競合と積雪に着目して
西 教生別宮(坂田) 有紀子
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2025 年 74 巻 1 号 p. 79-87

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抄録

ホシガラス Nucifraga caryocatactesはマツ属の種子を食物とし,貯食することが知られている.高山帯は開けた環境であることから,貯食行動を容易に観察できる.しかし,ホシガラスが通年生息する亜高山帯での貯食環境はほとんど知られていない.そこで本研究では,亜高山帯でのホシガラスの貯食環境の選好性を明らかにするために,貯食および採食行動の調査のほか,競合種である齧歯類による種子の横取り,積雪状況に着目して調査を実施した.その結果,ホシガラスは裸地,パッチ状植物群落,樹林に貯食をすること,9月は樹林に,10–11月はパッチ状植物群落に多く貯食をする傾向にあることがわかった.競合種による種子の横取り実験と積雪状況調査の結果から,ホシガラスは無作為に貯食をしているのではなく,競合種による種子の持ち去りが少なく,積雪の影響を受けにくい場所に貯食していることが明らかになった.

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