Online ISSN : 1881-9702
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非繁殖期における尾瀬の鳥類群集
高橋 守伊藤 正道
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1981 年 30 巻 1 号 p. 1-15

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抄録
尾瀬の秋期の鳥相を,1974年から1980年にかけて延24日間にわたり,ライントランセクト法により調査し,植生環境別鳥類群集,カラ類グループの環境選択について分析した.得られた結果は次のとおりである.
(1)記録された鳥類は76種であった.
(2)秋期の森林における主要構成種はヒガラ,コガラ,エナガ,ウグイス,ツグミ,メボソムシクイの6種とみなされた.なかでもヒガラ,コガラ,エナガの個体数はたいへん多かった.
(3)各種林相ともカラ類が優占度の上位を占め,その合計は記録されたすべての鳥類個体数の31.2%であった.
(4)調査地域全体で留鳥は48種(優占度70.0%),それ以外の種は28種(優占度30.0%)であった.
(5)コガラとエナガは落葉広葉樹林を,ヒガラは常緑針葉樹林を選択していた.
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