日本ではこれまで、非営利組織(NPO)の財務分析は、いくつかの調査研究を除き、NPOの組織評価においてもそれ以外の形態でも、ほとんど行われてこなかった。一般財団法人国際開発センターは、国際協力活動を行う認定NPO法人を対象に、個別のNPOの財務分析結果をわかりやすく「見える化」して提供するウェブサイト「NPO見える化ナビ」を立ち上げた。財務健全性(財務安定性・財務効率性)、成長率、持続性の観点から、6つの分析指標を設定した。分析結果には、団体の収入規模別に異なる傾向が見られ、財務分析は、寄付者が自身の価値観に基づきNPOを選ぶ際の有益な情報たり得ることが示されている。認定NPO法人のみを対象としたことやNPO法人会計基準の普及によって、対象団体の財務状況は、先行研究と比べ、より高水準であった。今後、こうした財務指標や分析結果を、NPOの組織評価においても有効に活用することが期待される。