近年の自治体評価において地方創生推進交付金事業の評価は非常に重要である。この評価制度における評価結果の利用目的は、一般的なアカウンタビリティと政策の質の改善に加え、内閣府としては個々の地方創生推進交付金事業の横展開の可能性を含む先導性を明らかにすることも含まれている。しかし、多くの地方自治体では評価主体や評価手法の点で先導性を明らかにするという利用目的に適しているとは言いにくいものとなっており、利用目的と制度にずれがある。自治体評価の中心となっている評価制度が利用目的とずれているという事実は評価の研究と実践の双方において重要である。本研究では筆者が評価制度の設計や運用に関わっている京都府内の4つの市町における実践に基づいてこのことを説明し、改善策を提言する。