日本評価研究
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政策評価の客観性をめぐる一考察
不良債権処理に伴う雇用対策評価をめぐって
西本 哲也
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2007 年 7 巻 1 号 p. 147-159

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抄録
不良債権処理に伴う失業者に対する雇用対策として、緊急雇用対策交付金の創設を中心としてセーフティネットの構築が図られ、2001年度補正により予算も付けられた。しかし、この雇用対策が本当に効果的であったかどうかは、実はよくわかっていない。雇用対策の実施を担った厚生労働省は「おおむね効果があった」と自己評価していたが、報道や国会質問により、自己評価に対する疑問や政策の効果に対する疑問が呈されていたためである。
他方、わが国の政策評価制度は、「評価の評価」(メタ評価) を行なう機能があらかじめ設定されている。その役割を担うのは、総務省行政評価局による客観性担保評価と呼ばれる活動である。この緊急雇用対策交付金に対しては、客観性担保評価が一歩進んだ形で行なわれたが、同時に課題や限界も明らかになった。
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