家族社会学研究
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コロナ禍1年目・2年目の家事労働――コロナ禍で増えた男性の家事は維持されているのか――
柳田 愛美柳下 実不破 麻紀子
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キーワード: コロナ禍, 家事労働
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2023 年 35 巻 1 号 p. 20-31

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抄録

2020年に始まった日本における新型コロナウイルスの感染拡大により,働き方や生活に大きな変化が生じ,先行研究からは男性の家事遂行が増加したことが示されている.本稿は,働き方とライフスタイルの変化に関する全国調査および同調査のオンライン特別調査を用い,コロナ禍で増加した男性の家事遂行が定着したのかを検討した.また,補完的に男女の家事頻度に労働時間・通勤時間・同居子が与える影響がコロナ禍1年目と2年目で異なるかを分析した.結果から,コロナ禍1年目で男女ともに家事頻度が増加したが,2年目では男性のみ減少し,男性の家事頻度の増加傾向は持続していないことが示された.またコロナ禍1年目でのみ労働時間と家事頻度との関連がみられたが影響は小さい.加えて,同居子がいることで男性で家事頻度がコロナ禍1年目のみ増加したが,女性ではいずれの年も影響がみられなかった.

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© 2023 日本家族社会学会
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