2010 年 51 巻 2 号 論文ID: jjom.H21-10
チリ産Grifola gargalの分類学的な特徴付けを行うため,子実体の形態観察およびrDNA-ITS領域の解析を行った.野生の子実体乾燥標本(GG014, GG015, GG016)と人工栽培した子実体標本(Iwade-GG010)の顕微鏡観察行った結果,供試菌の胞子と担子器の形状,サイズは,既報のG. gargalのものとほぼ一致した.Iwade-GG010のrDNA-ITS領域の塩基配列を決定した結果,G. sordulentaとブートストラップ値100%で同じクレードを形成し,G. frondosaとは異なるクレードに位置づけられた.以上より,G. gargalは形態的にG. sordulentaと区別されるが,ITS領域では困難であると示唆された.