2020 年 61 巻 2 号 p. 109-113
ハルペラ目は節足動物の消化管内に生息する種から成る.日本新産の属および種であるTrichozygospora chironomidarumがOrthocladius属の一種(ユスリカ科:Chironomidae)の幼虫の後腸より得られた.宿主幼虫は,筑波山にある小河川の急流中にある藻類に覆われた岩の表面から採集された.本種の記録は,日本産ハルペラ目の種としては21番目,筑波山におけるハルペラ目としては8種目の記録となる.同時に,Orthocladius 属もハルペラ目の宿主として日本初記録である.