2023 年 31 巻 1 号 p. 57-61
REBT(Rational Emotive Behavior Therapy)は認知行動療法の主要な心理療法として有名であるが,治療効果はあまり知られていない.そこで本論では,大うつ病性障害(MDD: Major Depression Disorder)に関する代表的な介入研究,介入研究のメタ分析,さらにビリーフと抑うつの関係についてのメタ分析の概要を紹介する.REBTはMDDのマニュアルが作成され,第1選択の治療である抗うつ薬及びベック派認知療法を対照群にした研究が行われ,第1選択の治療と同等以上の効果があることが確証されている.本論では成人とティーンエイジャーのMDDを対象にした介入研究,さらには最新のメタ分析を中心に概説する.