2023 年 31 巻 3 号 p. 121-126
職域におけるメンタルヘルス対策の必要性が高まっている中,うつ病の再発予防効果や健常人におけるストレス低減効果が実証されているマインドフルネスプログラムは,職域での活用が期待される心理社会的介入の有力候補である.職域での実践例として,プログラムを短縮し実施ハードルを下げたマインドフルネスプログラムの効果検証研究と,マインドフルネスに関心がない対象者にも受け入れやすい形に改変し受容ハードルを下げた研修プログラムの実践の2つを紹介した.また,職域適応の課題について,強度の軽減されたプログラムの効果検証,対人関係や組織風土などについても効果の評価を行うこと,フォローアップやアプリなどのプログラム以外の要素を有効に活用することを挙げた.