1964 年 17 巻 3 号 p. 181-184
農家の自家醸造味噌の品質を, 10種の必須アミノ酸組成の見地から検討した。供試味噌は, 埼玉, 群馬, 栃木の各県から蒐集した米麹, 麦麹, 味噌玉味噌など総数28点である。
分析は微生物法で行ない, その結果は, どの種類の味噌においても, それぞれの必須アミノ酸含量の間には, 有意の差は認められなかった。蛋白質中の各必須アミノ酸の全平均値は, Leucine 7.7, Isoleucine 4.7, Lysine 5.7, Methionine 1.2, Cystine 1.3, Phenylalanine 4.7, Threonine 3.4, Tryptophan 0.9, Tyrosine 3.9, Valine 4.6%であった。また, 蛋白質中の各必須アミノ酸含量は経時的にも有意の差は認められなかった。