産業精神保健
Online ISSN : 2758-1101
Print ISSN : 1340-2862
特集 職場での適用が期待される心理社会的介入の数々
セルフ・コンパッションに焦点を当てた心理学的介入とその職場での活用方法
有光 興記
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ジャーナル オープンアクセス

2023 年 31 巻 3 号 p. 138-142

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抄録

職業人が抱える様々な困難から立ち直る方法の1つとして,セルフ・コンパッションが注目されている.セルフ・コンパッションとは,困難な状況に陥ったとき,自分の感情にバランスよく気づき,そうした経験が他者と共有していることを認識し,自分に優しい気持ちを向けることであり,コンパッションに基づく介入法で高められることが実証されている.その基本的な技法にはマインドフルネス瞑想や慈悲の瞑想があり,その他の技法も含めたプログラムを5–10週程度継続して実践することで,ウェルビーイングの向上が期待できる.ただし,セルフ・コンパッションを涵養するためにはプログラム中指導者との継続的なやりとりが必要で,職場での活用は今後の課題となっている.

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© 2023 一般社団法人 日本産業精神保健学会
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