2023 年 31 巻 4 号 p. 170-174
国際労働機関(ILO)は国連専門機関として全ての人にディーセント・ワーク「働きがいのある人間らしい仕事,より具体的には,自由,公平,安全と人間としての尊厳を条件とした,全ての人のための生産的な仕事」を実現するために活動している.しかしながら世界中の多くの人々は,失業,不完全就業,質の低い非生産的な仕事,危険な仕事と不安定な所得,権利が認められていない仕事,男女不平等,移民労働者の搾取,発言権の欠如,病気・障害・高齢に対する不十分な保護など「ディーセント・ワークの欠如」に直面している.精神障害者を含めた障害者は特にそのリスクが高い.ILOは国際労働基準をはじめとする様々なツールを開発・普及するとともに,政労使それぞれの,あるいは協同した活動を通して,障害者のディーセント・ワークを達成・推進する各国の取り組みを支援している.