産業精神保健
Online ISSN : 2758-1101
Print ISSN : 1340-2862
教育講演5 改正自殺総合対策大綱にみる産業精神保健の重要性
自殺総合対策改定にみる産業精神保健の重要性
張 賢徳
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ジャーナル オープンアクセス

2024 年 32 巻 1 号 p. 47-50

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抄録

1998年から14年間も続いた「年間自殺者3万人」時代の中,2006年に自殺対策基本法ができ,2007年にはその法律に基づいた自殺総合対策大綱が策定された.この法律が誕生した時には,自殺は社会全体の問題であるというスタンスが重視され,精神保健の視点が後景に配された.2007年の大綱の重点課題には産業精神保健は取り上げられていない.その後,5年ごとの大綱改定の際に,日本精神神経学会が中心になって精神保健の視点を組み入れるよう提言を行ってきた.産業精神保健は2017年の改定時から重点課題に取り上げられている.自殺予防にとって,産業精神保健は重要である.産業医を始め,産業精神保健に携わる人はストレスチェック結果の活用を含め,職場のメンタルヘルス対策について考える機会を持つ必要がある.

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© 2024 一般社団法人 日本産業精神保健学会
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