2024 年 32 巻 2 号 p. 210-215
アルコール使用障害のケアが世界的に不十分であり,特に治療ギャップ(治療が必要な患者が医療機関を受診しないこと)が問題である.我々は内科等でのアルコール低減外来を展開し,診断にかかわらずアルコールに悩むすべての人を対象に,減酒や断酒を目標とした治療を提供している.事前にAUDITを含めた問診票の記入,呼気アルコール濃度チェックを行い,治療薬としてアカンプロサートやナルメフェンを使用し,症状や副作用に合わせて他の薬剤も併用している.これまで239人が同外来を受診し,有意な減酒効果が確認された.我々はこれまでの知見を活かし,職場のアルコール問題にも対応可能な,健康診断および保健指導での介入,医療機関との連携,地域での対応に関する3つのガイドラインを2024年に公開した.純アルコール量やアルコール健康障害の大まかなとらえ方,減酒や治療ギャップの改善を目指しており,職場や地域での適切な対応が望まれる.