産業精神保健
Online ISSN : 2758-1101
Print ISSN : 1340-2862
特集 職場のアルコール問題の解決
アルコール使用障害に対する専門外来治療
倉持 穣
著者情報
ジャーナル フリー

2024 年 32 巻 2 号 p. 216-222

詳細
抄録

「否認の疾患」とも呼ばれるアルコール使用障害は,職域において様々な問題を引き起こす疾患であるにもかかわらず,患者の多くは「自分の飲酒問題は軽い」と主張する.医療の側から見ても,予備軍~軽症群に対しては産業保健職による短期介入・減酒指導が有効であり,重症群に対しては専門精神科病院での教育入院が可能となるが,中等症群に対しては対応する治療的受け皿が我が国には存在しなかった.専門医受診を拒絶する彼らに対して,産業保健職が有効な手立てを取れないことも多かった.「減酒外来」などの治療も行っているアルコール専門外来クリニックは,専門医受診への心理的敷居を大幅に低くする.さらに患者の重症度に合わせて,「断酒外来」や「断酒デイケア」などへシフトすることができるため,可変的で柔軟な対応が可能となる.その際には主治医と産業保健職との密な情報交換・医療連携が不可欠となる.本稿では,当院で行っている専門外来治療について概説する.

著者関連情報
© 2024 一般社団法人 日本産業精神保健学会
前の記事 次の記事
feedback
Top