抄録
ビスフォスフォネートに関連した口腔粘膜潰瘍の1例について報告する。患者は82歳の女性で,口腔内のただれを主訴に当科を受診した。7か月前から口腔内の潰瘍を自覚していた。また,5年前から骨粗鬆症の治療のためアレンドロネートを内服していた。
下唇,軟口蓋,上下顎歯肉に潰瘍を認め,自己免疫性水疱症を疑ったが血液検査で抗デスモグレイン1,3抗体,抗BP180NC16a抗体は陰性であった。アレンドロネートが原因と考え,担当医に連絡後アレンドロネートを中止したところ1週間で上皮化を認めた。
その後の問診で,アレンドロネートを飲み込まずに口腔内で溶かして服用していたことが明らかとなった。