日本口腔粘膜学会雑誌
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原著
ピロカルピン塩酸塩の副作用軽減法に関する研究
―少量多分割投与療法による多汗軽減の可能性―
岩渕 博史岩渕 絵美内山 公男藤林 孝司
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2010 年 16 巻 1 号 p. 17-23

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抄録
ピロカルピン塩酸塩は優れた有効性を示す一方,多汗が多く投与中止せざるを得ないことも少なくない。本研究では多汗を軽減するため1回投与量を減らし1日4回内服させる少量多分割療法について検討した。試験はピロカルピン塩酸塩を1回量5mgで1日2回1か月以上投与されているシェーグレン症候群症例中,中等度以上の多汗が発現した20例にピロカルピン塩酸塩を1回量2.5mgで1日4回4週間投与し,少量多分割療法開始前後で自他覚所見と副作用を比較した。多汗の発現率と症状の強さは少量多分割法開始後に有意(p=0.035,p=0.000)に低下した。また,口腔乾燥感は少量多分割療法開始後で有意(p=0.011)に低下したが,唾液分泌量は少量多分割療法開始前後で変化はみられなかった。
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© 2010 日本口腔内科学会
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