日本口腔粘膜学会雑誌
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口腔扁平苔癬に対するマレイン酸イルソグラジンにおける臨床的効果の検討
李 進彰村岡 重忠小林 正樹横山 路子西松 成器宗本 幸子渋谷 恭之梅田 正博古森 孝英
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2003 年 9 巻 1 号 p. 26-33

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抄録
口腔扁平苔癬 (OLP) は口腔粘膜に発生する慢性炎症性疾患で, 今なおその病因・病態が明らかにされていない。今回われわれは, 口腔粘膜にあるギャップ結合を構成するコネキシンに作用し, 細胞間のコミュニケーションを増強する働きをもつマレイン酸イルソグラジン (irsogladine maleate; 以下IM) の口腔扁平苔癬対する臨床的効果の検討を行い以下の結果を得た。対象は18例で, 女性が66.7%と多く, 発症年齢は50~69歳で70%以上であった。発症部位は頬粘膜が最も多く, 次に歯肉, 口唇, 舌であった。自覚症状の改善は13/18 (72.2%), 肉眼的改善度は10/18 (55.6%) であり, 臨床視診型では網状型の症例で高い有効率が得られた。
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