抄録
口腔白板症107例において, ATM, p53およびMDM2蛋白の発現と上皮性異形成の関連を免疫組織学的に検討し, in situ hybridization 法でATMおよびMDM2遺伝子の局在について検討した。口腔白板症107例は上皮性異形成が認められないもの9例, 軽度35例, 中等度30例, 高度33例に分類し, コントロールとして正常口腔粘膜上皮22例, 口腔癌組織19例を用いた。その結果, 正常口腔粘膜上皮に比べ, p53蛋白は, 高度上皮性異形成の白板症で有意に高い陽性率を示した。ATMの蛋白発現は, 軽度上皮性異形成の白板症で高い傾向を認めたが, 有意差はみられなかった。MDM2蛋白は, 軽度および高度上皮性異形成の白板症および口腔癌組織で有意に高い陽性率を示した。ATMおよびMDM2遺伝子は, それぞれ主に有棘細胞層, 基底細胞層直上を中心にその発現が認められ, 各々の蛋白発現と一致していた。