日本口腔顔面痛学会雑誌
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総説
脳機能イメージング手法を用いたヒトの脳内痛覚認知機構の解明
柿木 隆介
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キーワード: 脳波, 脳磁図, fMRI, 痛覚認知
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2008 年 1 巻 1 号 p. 3-9

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抄録

人間の脳内痛覚認知機構の非侵襲的研究について, 脳波, 脳磁図と機能的磁気共鳴画像 (fMRI) を用いたこれまでの研究を要約した. 視床が活動したあとに, 刺激対側の第1次感覚野に非常に微弱な活動が見られ, 次いで両側半球の第2次感覚野 (SII) と島に大きな活動が見られる. 特に島前部は痛覚認知に重要と考えられる. 次に帯状回前部, 扁桃体付近に活動が見られ, これらの部位は痛覚認知の情動的な要素に関連していると考えられる. 痛みには末梢神経のA-delta線維を上行する鋭い痛み (first pain) と, 無髄のC線維を上行する鈍い痛み (second pain) の2種類がある. これらの脳内認知機構をfMRIを用いて詳細に検討した. A-delta線維, C線維のいずれを刺激した場合にも, 両側の視床, 右側 (刺激対側) の島中部, 両側のBrodmann (BA) の24野から32 野にかけて, 主に帯状回前部の後部が活動していることがわかった. しかし, 帯状回前部の背側から補足運動野にかけての部位と島前部においては, C線維刺激の場合に有意に活動が大きいことがわった. これは, second pain認知がfirst pain認知よりも情動に関係が強い事を示唆し, 帯状回前部の背側から補足運動野にかけての部位と島前部がこの点に強く関連する部位である事を示した所見であった.

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© 2008 日本口腔顔面痛学会
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