日本口腔顔面痛学会雑誌
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冷温刺激および圧刺激をもちいた内因性疼痛調節機構測定装置の開発
大野 由夏河野 亮子安藤 槙之介高木 沙央理小長谷 光
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2021 年 13 巻 1 号 p. 117-127

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抄録
目的:内因性疼痛調節機構を反映し術後痛発症予測因子の可能性があるconditioned pain modulation (CPM),temporal summation of pain (TSP),offset analgesia (OA) の測定法は様々である.そこで一つのシステムでこれらの測定を可能とする冷温刺激および圧刺激をもちいた内因性疼痛調節機構測定装置の開発を目指した.
材料と方法:ペルチェ素子を応用した冷温刺激装置をもちいてPCによる制御を行った.開発環境はMicrosoft Visual Studio 2017,開発言語はC#とした.CPM,TSP,OA測定のための設定温度,実測温度等の表示は別ウィンドウで行えるようにした.設定温度等可変できるプログラムを作成し,本プログラムにより−10〜50℃の温度制御が可能であった.健康成人を対象にCPM効果,TSP ratio,OA scoreを評価した結果,それぞれ19.4 (31.8)%,1.1 (1.1),25.5 (40.5) であった (中央値 (四分位範囲)).
考察:本開発装置により,被験者に負担なく短時間で安全に内因性疼痛調節機構を反映するCPM,TSP,OAの測定が可能であった.
結論:冷温刺激および圧刺激をもちいた内因性疼痛調節機構測定装置を開発した.
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© 2021 日本口腔顔面痛学会
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