日本口腔顔面痛学会雑誌
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三叉神経帯状疱疹後神経痛へのプレガバリンの効果について
坂本 英治風間 富栄
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2011 年 4 巻 1 号 p. 1_29-33

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抄録
口腔領域の慢性疼痛に悩む方は少なくない.そのひとつに神経障害性疼痛のひとつである帯状疱疹後神経痛症例を経験した.
症例:67歳の女性.左側前額部,鼻根部,上眼瞼部,頬部に水疱形成に伴い,自発痛,接触痛が出現したため近医皮膚科受診し,帯状疱疹の診断にて抗ウイルス薬,非ステロイド消炎鎮痛薬での治療を受けた.その後,近医ペインクリニック科にて星状神経節ブロック療法,薬物療法を受けられていたが症状に変化がないため受診された.薬物療法では抵抗性があるため,星状神経節ブロックを行ったところVAS 50-70/100が20/100に軽減した.しかしその効果が持続しないため,プレガバリン75-150mg/日を併用することで効果の持続を認めた.
考察:診断治療に苦慮する神経障害性疼痛に対してはその病歴等から解剖学的に妥当な神経損傷を伴うエピソードと感覚異常などの所見を伴う.このような痛みは神経障害性疼痛の可能性が高く,プレガバリンは有用なことがある.本症例でもプレガバリンにて疼痛軽減の持続を認めた
結論:適切な神経障害性疼痛の診断下にてプレガバリンは有用なことがある.
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© 2011 日本口腔顔面痛学会
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