日本口腔顔面痛学会雑誌
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顎口腔領域のシステム神経科学
成田 紀之
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2012 年 5 巻 1 号 p. 15-26

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抄録

顎口腔領域のシステム神経科学は,顎口腔の感覚情報処理、随意性の運動実行とその意識,などにかかわる高次性の解明を目的として遂行される神経科学の一分野である.本稿は,このシステム神経科学の観点から,健常者ならびに口下顎ジストニアを対象とした感覚運動機能にかかわる皮質活動性,実験的な口腔感覚遮断や顎筋痛の誘発あるいは補綴治療の介入による前頭前皮質活動性への影響,精神疾患にともなう口腔感覚異常とかかわる口腔の感覚運動機能とその認知,などに関するf-NIRS (Functional Near-Infrared Spectroscopy) 研究,ならびに顎口腔領域の難治性神経疾患への治療指針,口下顎の不随意運動症に対するBotox (botulinum toxin typeA) 治療の実際と顎口腔領域の難治性神経疾患への経頭蓋磁気刺激法 (TMS: Transcranial Magnetic Stimulation) の応用,について概説するものである.

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© 2012 日本口腔顔面痛学会
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