抄録
コンピュータビジネスゲームにおける戦略策定のためのシミュレーションを行いその効果を評価する。価格と広告費を設定し販売利益を4社で競い合うゲームを対象として，経営課題を設定し，経営課題を実現するための戦略をいくつか設定し，どのような戦略でどのような結果が得られるかをシミュレーションにより試行錯誤する。経営課題は，安全性の指標としての経常収支比率，収益性の指標としての売上高利益率についてそれぞれの目標値を達成するための3つの課題を設定する。3つの課題を達成するための戦略を考え，それぞれの戦略のいずれかを採用する社の組み合わせを7通り考えてシミュレーションを実行した。この結果，戦略の組み合わせによる，それぞれの戦略の優位性や戦略同士の相性などを探ることができた。シミュレーション実験が，今後，人間対コンピュータ対戦型のシミュレーションゲームを構築する際に必要となるパラメータを策定するために役立つと考えられる。
