2026 年 1 巻 2 号 p. 31-34
・認知症ケア加算や制度整備に伴い、急性期病院においては身体拘束に頼らないケアの実践が模索され始め、医療現場における身体拘束への考え方は大きく変化した。
・当院では認知症ケアチーム発足時、介入患者の約 60%に身体拘束が実施されており、身体拘束 3 原則に基づくアセスメント不足が課題であった。この課題に対し、多職種での認知症ケアチーム活動を基盤に、身体拘束最小化を目的とした組織的取り組みが段階的に導入された。
・ 日常的なラウンドとカンファレンスを通じて、患者中心のアセスメントと「拘束解除を前提とした検討」へと意思決定プロセスが変化したことが、実践の質向上に寄与した。
・リンクナース育成、研修、身体拘束体験などの教育的介入と、データの可視化・共有により、スタッフの意識変容と主体的な実践が促進された。
・これらの継続的取り組みに加え、OT ラウンドなど新たな介入の導入により、身体拘束実施率は有意に低下し、拘束に頼らないケアが組織的に推進された。