日本認知症の人の緩和ケア学会誌
Online ISSN : 2760-7038
[2 緩和ケアにおける BPSD の治療]②在宅医療における BPSD の緩和ケア
新川 祐利
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2026 年 1 巻 2 号 p. 26-30

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抄録

・在宅医療における BPSD の緩和ケアは終末期に限定されず、診断早期から全経過にわたり、本人と家族 を含めた包括的ケアとして位置づけられる。

・BPSD は単なる問題行動ではなく、生物学的要因、心理的要因、社会的要因が複雑に関与する苦痛の表現であり、行動の意味を生活史や家族関係の中で理解する姿勢が必要である。

・在宅医療における BPSD 対応の要点は、身体的要因・環境要因・心理社会的要因・介護者の状態を統合 的に評価する多面的アセスメントにあり、とりわけ介護者の状態は結果であると同時に増悪因子として双 方向的に作用する。

・ケアの基本はパーソン・センタード・ケアを軸とする非薬物療法である。家族への教育支援、生活環境の 調整、その人らしさを支える活動の提供、介護サービスの適切な導入を通じて生活の持続可能性の維持を 目標とする。

・薬物療法は苦痛軽減と安全確保を目的とする補助的手段として、本人の苦痛や安全確保の必要性に応じて 慎重に用いる。同時に、ACP に基づく継続的な意思決定支援と家族ケアを統合しながら在宅療養と終末 期ケアを支える。

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