体育学研究
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日本人の肘関節屈筋力の発達 : Isometric StrengthとEccentric Strengthについて
水谷 四郎奥田 博脇田 裕人
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1973 年 17 巻 5 号 p. 277-285

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抄録

三重県津市周辺に在住する4歳〜20歳までの健康な男子1,131名, 女子1,090名を対象として, 張力計を用い肘関節屈筋におけるIsometricとEccentric Strength, さらに上腕屈曲囲,上腕伸展囲,前腕長を測定し, 次の結論を得た. 1) IsometricとEccentricの発達過程は, 4〜10歳までは増加量は小さく, 男女とも類似した発達過程を示すが, その後, 男子は18歳頃まで著しい増加をする. 女子は10〜12歳まで著しい増加をするが, その後はほぼ一定の値となる. 2) IsometricとEccentricを比較すると, Eccentricの方が1.7〜4.0kg大きい. Isometricを基準としたEccentricの割合は7〜12歳頃にかけて著しく減少するが, その後は男(110%)女(120%)とも一定の割合となる. 3) 上腕屈曲時の単位断面積あたりの筋力は, 男女とも4〜11歳頃まで著しく増加するが, その後, 男子ではわずかな増加量となり, 女子では12歳を頂点として減少する. 4) 性差は, 筋力・形態とも13歳以後顕著となる.

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© 1973 一般社団法人 日本体育学会
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