抄録
薬疹を“体内に吸収された治療薬物による皮膚障害”と仮りに定義し,蕁麻疹型,湿疹皮膚炎型,非特異的紅斑型,多型滲出性紅斑型,紫斑型,水疱型,固定疹型,色素異常型,ざ瘡様発疹,結節性紅斑型,光線過敏症型,エリテマトーデス型,血管炎型,扁平苔癬型,粘膜疹型,尋常性乾癬型,類乾癬型,膿胞性乾癬型,毛孔性紅色粃糠疹型,ジベル薔薇粃糠疹型,天疱瘡型,丹毒型,増殖性膿皮症型の各病型を原型と考え,それらの重症型として紅皮症型(剥脱性皮膚炎型),皮膚粘膜眼症候群,Toxic epidermal necrolysisの3型を想定した。また上記定義にしたがつた場合に副腎皮質ホルモン内服時のせつ腫症,抗生物質によるカンジダ症なども薬疹に含まれることになるが,これらは医原性皮膚疾患として別にとりあつかうべきであろうと考える。なお主な臨床型について若干の説明を加えた。