日本小児血液学会雑誌
Online ISSN : 1884-4723
Print ISSN : 0913-8706
ISSN-L : 0913-8706
α溶連菌による成人呼吸窮迫症候群を合併した小児急性リンパ性白血病の1例
徳丸 治子川 和宏土橋 浩益田 倫夫関根 勇夫
著者情報
ジャーナル フリー

1997 年 11 巻 2 号 p. 114-119

詳細
抄録

再寛解導入中にα溶連菌による成人呼吸窮迫症候群 (ARDS) を呈した小児ALLの8歳男児例を報告した.患児は第3完全寛解にて1991年11月に同種骨髄移植を行ったが1992年4月に骨髄再発した.4回目の再寛解導入療法中に突然呼吸困難, 血圧低下を認めた.静脈血培養にてStreptococcus mitisが検出され, 胸部単純写真にてARDSと診断した.適切な抗生物質投与と, ARDSに対してPEEPをかけた呼吸管理とステロイドパルス療法を行ったところ, 敗血症, ARDSは改善した.しかし, その後患児は全身性真菌症を伴った多臓器不全のため死亡した.近年α溶連菌による敗血症の報告が小児悪性疾患で増加しているが, 本例のように小児悪性疾患に対する強力な化学療法を行う際は, α溶連菌による敗血症およびARDSに注意する必要がある.

著者関連情報
© (社)日本複写権センター
前の記事 次の記事
feedback
Top