日本小児血液学会雑誌
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小児の急性特発性血小板減少性紫斑病に対する免疫グロブリン大量静注療法1.0 g/kg 1回投与の検討
岡田 仁今井 正合谷 智子石井 禎郎伊藤 進大西 鐘壽
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1997 年 11 巻 2 号 p. 88-91

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抄録

小児の急性特発性血小板減少性紫斑病9例を対象として, 免疫グロブリン大量静注 (IVIg) 療法の際に, 従来の投与量の1/2量で急性期の止血管理が可能かを検討した.IVIg療法は1.0g/kgを1回投与した.治療前の血小板数は0.97±0.6×104/μl, IVIg投与後翌日の血小板数は4.6±2.6×104/μl, 投与後血小板数が5.0×104/μl以上になるまでの日数は9例中7例が2日以内で平均2.2日であった.その後, 3症例はそのまま治癒にいたり, 残り6症例の血小板数5.0×104/μl以上の維持期間は2-17日であった.副作用は全例見られなかった.従来の方法と比べて, 早期の血小板増加効果においてIVIg療法は, 1.0g/kgの1回投与でも効果があると思われた.今後は, 多数例での検討が必要と思われた.

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