抄録
血球貧食症候群を伴うEpstein-Barrウイルス関連末梢T細胞性悪性リンパ腫 (EBV/PTCL) を発症した4歳女児について報告した.骨髄に成熟T細胞表面マーカーを持つ異型なimmunoblastが増加し, 同時にCβ1 probeおよびEBV terminal probeによる骨髄細胞のサザン解析によりEBV/PTCLと診断した.当初HLH-94プロトコールに良好な反応が得られ寛解を得たが, 第50病日に再燃した.その後種々の多剤併用療法を行うも効果は一時的で, 徐々に治療抵抗性となった.Cyclosporin A併用により一時全身状態は改善するも, その後も再燃を繰り返すため, 発症後7カ月でHLA一致の弟をドナーとして同種骨髄移植を行った.移植後6カ月を経過した現在も再燃を認めず, 同種骨髄移植は治療抵抗性EBV/PTCLに有効な治療法であると思われた.