抄録
35人の小児難治性白血病に対して, 全身照射, メルファラン, チオテパを前処置に用いて同種骨髄移植を施行した.原疾患はリンパ性白血病が21例, 非リンパ性白血病6例, および未分化型白血病, 混合型白血病, 骨髄異形成症候群, 若年型慢性骨髄性白血病がそれぞれ2例であった.完全寛解期 (CR) の移植が16例, 非寛解期 (non CR) の移植が19例であった.ドナーはHLA一致同胞が18例, 非血縁者15例, HLA不一致同胞が2例であった.移植片対宿主病 (GVHD) 予防は同胞間移植ではシクロスポリン±メソトレキセートで, 非血縁者間移植ではタクロリムス±プレドニゾロンで主に行った.移植関連死亡は12例であり, 急性GVHDが5例, 感染4例 (真菌感染が3, サイトメガロ肺炎が1), 頭蓋内出血が1例と慢性GVHDが2例であった.再発は6例にみられた (移植後69日, 168日, 175日, 222日, 275日, 609日).2年の無病生存率はCR, nonCRで各々38.1%, 36.9%であった.