日本小児血液学会雑誌
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小児難治性白血病4例に対するTBI/Bu/L-PAMregimenによる同種骨髄移植
丸山 博子三沢 あき子岩見 均綱本 健太郎粕淵 康郎納谷 真由美北条 誠日比 成美東道 伸二郎澤田 淳今宿 晋作
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1997 年 11 巻 3 号 p. 198-201

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抄録
小児難治性白血病の4例に対しtotal body irradiation (TBI), busulfan (Bu), melphalan (L-PAM) による前処置にてHLA-full match血縁ドナー (3人), 一座不一致非血縁ドナー (1人) から同種骨髄移植al-logeneic bone marrow transplantation (alloBMT) を行った. Graft-versus-host disease (GVHD) 予防としてmethotrexateとcyclosporin Aの投与を行ったが, 4例中3例にIII度以上のGVHDを認め, うち2例はFK-506の投与を要した.評価可能な2例で慢性GVHDは認めなかった.また, 主にL/PAMの副作用と思われるが, 全例に重度の消化管粘膜障害を認めたが, 致死的なregimen-related-toxicityはみられなかった.骨髄移植後4例中2例が各々24カ月, 14カ月と長期寛解を維持している.他の2例のうち1例はday+120にrhab-domyolysisによる急性腎不全で死亡, もう1例はday+56にサイトメガロ肺炎で死亡した.これらの結果からTBI, Bu, L-PAMからなるregimenは小児難治性白血病のBMTに有効であると考えられた.
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