日本小児血液学会雑誌
Online ISSN : 1884-4723
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ダウン症候群にみられるabnormal myelopoiesisとleukemiaの特徴と治療上の問題点
茶山 公祐井上 雅美八木 啓子中野 智巳中野 崇秀澤田 明久吉本 寿美安井 昌博岡村 隆行河 敬世
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1998 年 12 巻 1 号 p. 22-27

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抄録
当センターにおいて1982-1996年の15年間で48人のダウン症候群児が出生した.このうち4人 (8%) がTAMを発症し, いずれも無治療で自然寛解に至ったがそのうち1人は約1年後にAMKLを発症した.この症例も含め筆者らは過去5年間に4例のダウン症候群のAMKLを治療した.いずれも大阪地区のANLL治療プロトコールにより治療したが, 1例は心筋障害のため化学療法の継続が困難と判断されたことやHLA一致の血縁者がいたことから同種骨髄移植を行った.4例とも14-45カ月間のCCRを維持している.当センターではダウン症候群児に対しては薬剤投与量を体重換算で算出しており, このことがtreatment related deathを減少させるのに役立っていると思われる.化学療法の際に起こる合併症をいかに回避するかが, 本疾患を治療する上で重要である.
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