日本小児血液学会雑誌
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小児急性リンパ性白血病患児のQOLアンケート調査研究
第2報親の視点からの患児・家族のQOL
石田 也寸志本郷 輝明足立 壮一堀 浩樹圀府寺 美青柳 憲幸脇口 宏上田 一博
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2003 年 17 巻 5 号 p. 377-385

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抄録

JACLSのQOL小委員会で新たに作成したアンケート調査票を用いて小児急性リンパ性白血病 (ALL) 患児の両親の視点からみたQOLの評価を前方視的に行った.2002年4月の時点で回収できたQOL調査票は906通であった.1) 患児の年齢はあまりQOL点数に関係せず, 女児で脱毛についての意識が高いため, 心理面での点数が低い傾向が認められた.2) 治療の強度に比例して合計点数が低くなるが, 治療経過とともに点数は向上しており, 治療による差が認められた.3) 家族がもっとも負担に考えている検査は骨髄穿刺と腰椎穿刺で, 治療では髄注, 筋注などであった.4) 心の支えになっているのは, 趣味, 宗教, 仕事そして家族, 友人, 配偶者が多かった.無記名調査票によるアンケート調査は, 両親の視点から小児QOLを評価する有用な方法と考えられた.

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